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東京都が9年ぶりに地震被害想定を発表
2006-02-18 Sat 10:46

東京都が06年2月16日に東京直下地震の被害想定結果の中間報告を公表した。

いつ出すのかいつ出すのかと思っていたが、来年度の地域防災計画の見直しに向けていいタイミングで発表した。

その概要は次のとおりである。

(1)全体の傾向

  • 震度6強は、東京湾北部地震で区部東部を中心に発生する。
  • 物的被害は、東京湾北部地震、多摩直下地震いずれも規模(M7.3、M6.9)を問わず、区部の木造住宅密集地域を中心に発生する。
  • 人的被害は、死亡は火災を原因とするものが多く、負傷は建物倒壊を原因とするものが多い。

(2)地震動(地震のゆれ)

  • 東京湾北部地震M6.9の場合、区部東部を中心に区部の約23%が震度6強となる。
  • M7.3では、都心から区部東部にかけて震度6強の範囲が広がり、区部の約49%を占める。
  • 多摩直下地震の場合、M6.9、M7.3ともに区部のほとんどが6弱となる。多摩地域ではそれぞれ約28%、約52%の地域が6弱となる。

(3)ゆれ・液状化・急傾斜地崩壊による建物被害

  • 東京湾北部地震M6.9の場合、都内建物約270万棟のうち、ゆれ・液状化・急傾斜地崩壊により、約6万棟(2%)が全壊、約21.5万棟が半壊となる。
  • M7.3では約12.7万棟(5%)が全壊、約34.6万棟が半壊となる。
  • 多摩直下地震の場合、M6.9では約2.1万棟が全壊、約16.2万棟が半壊となる。
  • M7.3では約5.2万棟が全壊、約30.3万棟が半壊となる。

(注)全壊、半壊の定義は、り災証明書の区分による。

(4)火災による建物被害

  • 東京湾北部地震M6.9の場合、都内の建物約270万棟のうち、約18.3万棟(約7%)が焼失し、焼失面積は約53平方キロメートルとなる。
  • M7.3では、約31万棟(約11%)が焼失し、焼失面積は約98平方キロメートルとなる。
  • 多摩直下地震M6.9の場合、約10.7万棟(約4%)が焼失し、焼失面積は約30平方キロメートルとなる。
  • M7.3では、約29.3万棟(約11%)が焼失し、焼失面積は約81平方キロメートルとなる。

(5)人的被害

  • 東京湾北部地震M6.9では、約2,300人が死亡し、約41,000人が負傷する。
  • M7.3では、約4,700人が死亡し、約89,000人が負傷する。
  • 多摩直下地震M6.9では、約1,100人が死亡し、約31,000人が負傷する。
  • M7.3では約2,700人が死亡し、約52,000人が負傷する。

(6)ライフライン被害

1)電力

  • 東京湾北部地震では、区部東部での被害が大きく、M6.9の場合、墨田、葛飾区で停電率30%以上となる。
  • M7.3の場合、墨田、荒川、葛飾区が40%以上、江東区、江戸川区が30%以上となり、多摩地区の市も、M6.9に対し、約2倍の20市が被害を受ける。
  • 多摩直下地震でも、区部の停電率が高い。
  • M6.9の場合、杉並区など5区で10%以上となり、M7.3の場合は中野区など5区1市で20%以上となる。

2)通信

  • 東京湾北部地震M6.9の場合、全ての区が被害を受けるが、市部では数市にとどまる。
  • M7.3の場合、北多摩北部の市と西多摩の市町村を除く区市が被害を受ける。
  • 多摩直下地震では、M6.9の場合、区部は被害を受けるが、多摩の市町村はわずか被害にとどまる。
  • M7.3の場合、西多摩の一部を除く区市町村が被害を受ける。

3)ガス

  • 東京湾北部地震でM6.9の場合には4区で供給停止が発生し、墨田、江戸川区の2区が、50%以上の供給停止率となる。
  • M7.3の場合は、9区で供給停止が発生し、中央区など6区が50%以上の供給停止率となる。
  • 多摩直下地震では、供給停止は発生しない。

4)上水道

  • 東京湾北部地震では、M6.9の場合、羽村市と西多摩の町村を除く区市で断水が発生する。
  • M7.3の場合、断水のないのは檜原村、奥多摩町のみである。
  • 多摩直下地震で断水のないのは、M6.9の場合、檜原村と奥多摩町、M7.3の場合、檜原村のみである。

5)下水道

  • 東京湾北部地震M6.9の場合には、檜原村、奥多摩町以外は下水道管きょに被害が発生し、M7.3の場合には全区市町村で被害が発生する。
  • 多摩直下地震では、M6.9、M7.3の場合、いずれも全区市町村で被害が発生する。

(7)避難者

  • 発災直後に建物の被災が原因で避難する者は、東京湾北部地震M6.9の場合、約166万人、M7.3では約287万人となる。
  • 多摩直下地震M6.9の場合、約96万人、M7.3では約228万人の避難者となる。

(8)帰宅困難者

  • 震度5強の場合には鉄道等ほとんどの交通機関が停止する。このため、いずれの地震規模でも都全体で外出者(都内滞留者)約1,144万人のうち、約392万人(約34%)の帰宅困難者が発生する。
  • アンケート調査をみると、外出者(都内滞留者)のうち、地震発生直後、何としても自宅に帰ろうとする者が約372万人、とどまって様子を見る者が約420万人、駅に様子を見に行く者が約95万人と想定される。

(9)エレベーター閉じ込め台数

  • 東京湾北部地震M6.9の場合、エレベーター約14.5万台中、閉じ込めが発生するエレベーターは約7,500台、M7.3では約9,200台となる。いずれの場合も区部がほとんどを占める。
  • 多摩直下地震M6.9の場合、閉じ込めが生じるエレベーターは約6,800台、M7.3では約7,700台となる。この場合も区部がほとんどを占める。

今回の特徴はこのエレベータの閉じ込め台数である。政府の人数表現でなく、台数で表したところがミソだ。

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関東大震災
2006-01-29 Sun 09:00

昭和27年に発刊された「東京災害史」(畑市次郎著)という貴書が手元にある。この書物からまもなく80周年を迎える関東大震災の猛火について記してみたい。

「筆舌に尽くしがたい」という言葉があるが、当時の新聞社にはかなり筆の立つ人がいたものと思われ、猛火に立ちすくむ人々や情景を眼前に展開してくれる。関東大震災における火災被害は134カ所の出火から始まった。引用してみたい。

「・・・陽漸く沈まんとする頃より猛火は山の手方面を残して殆ど全市を押し包み、黒煙天に沖し、折柄の旋風は倍々威力を加えて紅蓮の焔は縦に毒舌を閃かす。其の区域の広きと断水のため近衛と第一師団の軍隊も警視庁の消防も施すに術なく徒に奔命に疲るゝのみである。斯くて(中略)走り、喘ぎ、倒れ、傷き、溺るゝ間に四谷、神田、下谷、浅草方面を甜め尽くした猛火は本郷、千住、深川、日本橋、京橋、麹町、芝、赤坂方面に於いていよいよ暴威を逞くし、火元は遠く軽井沢方面より望み得るほどの強さとなった。最早人間の力ではこの暴虐に克てない、凡てを自然のなすがままに委するのみである。・・・」

死亡者の83%、行方不明者の90%、重傷者の62%はこの猛火によるものであった。物的被害も火災によるもの約55億万円、震害によるもの約1億円であったという。凄まじいまでの火災の恐ろしさであった。

ところが復旧は意外と早く、2日後には日銀が営業再開、3日後には山手方面の水道が復旧し、夜には電気も復旧した。6日後には東京市電が運転を再開し、1週間後までには破損した13の橋の修理が行われ、開通したという。当時、「危機管理」という言葉はなかったと思われるが、関係者が自らの「社会的使命」を自覚して、復旧・復興に全力を傾けている様が克明に描かれている。

今、東京で懸念されている東京直下地震では824件の出火と延焼棟数約38万棟が想定されているが、実はこの数字は関東大震災の焼失棟数約41万棟とあまり変わらないのである。特に、環状7号線沿線、中央線沿線のいわゆる木造住宅密集地域での延焼被害が大きいとされている点が心配である。

9月1日を前にして改めて東京における地震火災の恐ろしさを再確認しておきたい。

*1

*1:【参考文献】東京災害史(畑市次郎著、都政通信社発行、1952年)
【写真】東京消防庁

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