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吉村昭
2008-09-25 Thu 11:00

 もうお一方は、吉村昭さん。菊池寛賞をとった「戦艦武蔵」が有名。その作品のモチーフも「死」だった気がする。吉村さんは、膵臓癌の延命治療を拒否し、自宅療養中に「死ぬよ」と言い置いて、自分でカテーテルポートなどを抜いて「尊厳死」したといわれている。

亡き人の夢見卯の花くたしかな

※卯の花くたしとは、白い卯の花をくたす(腐らせてしまう)ほどの長雨のこと。

夕焼けの空に釣られし子鯊(こはぜ)かな

冬帽の人は医者なり村の道

無人駅一時停車の花見かな

巻かれたるデモの旗ありビヤホール

 このほか、前に紹介した小学生の女の子の「天国は・・・」もいいが、大牧広さんという俳人の「籐椅子に・・」がいい。

 まだそのまま残っている真史の部屋に入ると、いつも座っていた椅子に真史のお尻のあとが残っている、いつも履いていたスリッパに足あとが残っている、どれも「いのちのくぼみ」がしかとあるのだ。そのほかにも彼が遺した小説やイラストもいのちを削って作った「いのちのくぼみ」だろう。

大切に残しておいてあげたい。。。

天国はもうすぐ秋ですかお父さん (塚原彩)

籐椅子にいのちのくぼみしかとあり  (大牧広)

死にたれば人きて大根煮たきはじむ  (下村槐太)

父母の亡き裏口開いて枯木山  (飯田龍太)

湯豆腐やいのちのはてのうすあかり  (久保田万太郎)

子を殴ちしながき一瞬天の蝉  (秋本不死男)

咳をしても一人  (尾崎放哉)

いたわりの街風青し共に老い  (森村誠一)

生も死もたつた一文字小鳥来る  (石寒太)

 

 夏目雅子さんのお母様が今年5月にお亡くなりになった。夏目雅子さんもお母様も大変無念でしょうが、彼女の遺志は確実に遺り、次の時代へと継承されている。

 久保田万太郎は、先妻が自死、一人息子にも先立たれ、晩年は愛人にも先立たれた。そのとき詠んだのが「湯豆腐や・・・」。たった一人で湯豆腐をつつきながら「いのちのはてのうすあかり」を見つめている姿は明日の自分の姿だ。

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